「何故うちの総長を?」 「なんでーって……潰して俺らが上にあがる為」 彼は「そんくらい考えるでしょ」と、少し馬鹿にして言った。 ――順位ねぇ 俺は男から視線を外した。 俺らは楽しく走ればそれでよかったし、ここまで喧嘩がつよくなったのって、攻めてきた他の暴走族をただ追い払ってただけだし。 全国で何本の指に入るくらい、強くて大きいとか。 全然そんなの考えたことなかったし。 歴代の総長だってそんな考え方だったし。 ――くだらねー 「…………………」 俺はため息をついた。