あたしが見た世界Ⅲ【完】




「何故うちの総長を?」




「なんでーって……潰して俺らが上にあがる為」




彼は「そんくらい考えるでしょ」と、少し馬鹿にして言った。




――順位ねぇ




俺は男から視線を外した。




俺らは楽しく走ればそれでよかったし、ここまで喧嘩がつよくなったのって、攻めてきた他の暴走族をただ追い払ってただけだし。




全国で何本の指に入るくらい、強くて大きいとか。




全然そんなの考えたことなかったし。




歴代の総長だってそんな考え方だったし。




――くだらねー




「…………………」




俺はため息をついた。