あたしが見た世界Ⅲ【完】




「……俺らの総長?」




「うん、椎名隼人っていうんだけど」




俺が聞くと、男は頷いた。




「…………………………」




俺は腕を組んで、息を吐く。




――なんというか…




ここは宙の情報管理に感謝すべきか、それとも、このマヌケな暴走族に感謝すべきか――




なんなんだろう、この展開。




こんな展開は初めてだ。




「………………」




俺は考えた挙句、下っ端のふりをするという考えに至った。