そんな俺の思いが通じたのか、目の前にいる男が俺の口をふさいでいるガムテープを取った。 「いって!」 思った以上に唇がヒリヒリした。 手を口に当てる。 痛い部分が和らぐ。 とかいう効果は得られないが、痛かったので、ついやってしまう。 そんな俺を男はじっと見ていた。 「…な、何?」 無表情すぎて、逆に怖い。 「君さ、青龍の下っ端でしょ?君らの総長、何処にいるか知らない?」 「……は?」 すっごい自分でもびっくりするような、素っ頓狂な声が出た。 ――いや、ここにいるんですけど