あたしが見た世界Ⅲ【完】






彼女のケータイが鳴る。




「今日ね、昔みたいにジャクん家と急きょ焼き肉するって」




アイはメールを見てそう言った。




彼女が「行こ?」と左手を差し出す。




クスリ指に指輪がはめてあった。




「どーも」




俺は彼女の手を掴んで立ち上がる。




「結婚するんか、早いのぅ」




俺がそう言って、横目でアイを見ると、彼女は頬を赤らめながら、嬉しそうに「…うん」と呟いた。




「こんなおっちょこちょいなんに、どこが好きなんじゃろ?こんなんを嫁に貰うたぁ、余程の変わりモンやな」




なんて、少し意地悪を言ってみる。




「なんでよ!!?笑った顔が好きだって…言ってくれたし」




彼女は尻すぼみになりながら、言う。




「……ふーん…」




そんなアイを見て、また胸がチクリと痛んだ。




「………………………」




――…俺も好きなんに