ガラっと、ドアが開く音がした。 入ってきたのは化学の先生だった。 「授業中も静かにするっていうのも条件に入ってるから、煩いヤツは注意された時点で、券もらえねぇよ?」 笹川が笑う。 「じゃぁ、がんばんな」 そう言って笹川は出て行った。 「……なっちゃんって誰だ…?」 あたしは、教室を出て行く際に漏らした笹川の呟きを拾った。 知らないのに言ったのかよ、笹川。 あたしは内心そう思った。