「バカ高校って呼ばれてるのが嫌っていう先生が多いから、お前ら勉強しろ!」
何を言い出すのかと思えば、勉強しろって。
直球ね、笹川。
「人生ゲームをして、人生の勉強してるじゃないですかー」
一人の男子生徒が言った。
ドッとクラスが笑いに包まれる。
「そういうやつじゃなくて、教科の勉強な」
苦笑しながら笹川が「国語とか、数学とか…」と付け足す。
「で、終業式の日に渡す成績が一番良かった人にはいーもんやっから」
お、ご褒美だ。
「なんすか、それ?」
さっきの生徒が言った。
「女子には、椎名あたりのイケメン達と一日デートできるっていう券と……」
それを聞いた女子の目が鋭く光る。
「男子には、なっちゃん?と一日デートできる券を……」
それを聞いた男子の息が荒くなる。
「やるから、まぁ、授業中は静かにしてがんばれ」
笹川がそう言うと、地を揺るがすほど大きな歓声が沸きあがった。


