あたしが見た世界Ⅲ【完】





「なっちゃんが来ないから、あいつらも来ないんじゃね?」




彼は顎を机に置いているあたしに言った。




「なっちゃんって……誰?」




「あれ、お前、俺らのクラスに二人、転校生来たの知らないんだっけ?」




「知ってるけど………いつの話してんのよ、半年も前のことなのに」




「あ、そう?俺ら女の転校生の方、なっちゃんって呼んでるけど」




「………知らなかった」




「まぁ、お前はルックスがいい男ばっか見てんだもんなー」




彼がケラケラ笑う。




「あんたはルックスと胸がデカい女ばっか見てんでしょ」




「おうよ!」


即答してガッツポーズを決め込む彼に、あたしは苦笑した。




「大きければ大きいほど、男のロマンが詰まってるって言うじゃねーか」




「黙りなさいよ」