あたしが見た世界Ⅲ【完】





「あれ、宙は?」




キョトンとした顔をしてリュウ兄が宙を探す。




「ここにいますよ?」




こめかみを動かしながら宙が隼人の隣に立つ。




「え、なんかこめかみピキピキいってるよ?なんで?」




リュウ兄が笑いながら興味津々に聞く。




「知りたいですか?」




宙がニッコリと黒いオーラを纏いながら、リュウ兄に近づく。




そんな宙に気づいていないリュウ兄は、目をキラキラさせていた。




そして。




「ぎぃやぁああぁぁあ…」




白昼にリュウ兄の苦痛の叫びが響いた。