「!」 ふと、あたしはあることに気づいた。 隼人に触れている手を引っ込めて、爪を見る。 爪に少し乾いた、血があった。 疑問の答えが浮かび上がる。 「あた、し…は……」 「俺はヘーキだよ」 不安そうな顔をしていたのだろうか。 それとも、怯えた顔をしていたのか。 あるいは、彼の気分か。 どれかは分からないが、彼があたしをギュッと抱きしめた。