彼の声音は、この刀で俺が出来なかったことをやってほしい、といっているわけでもなく、今まであたしに酷いことをしたのを詫びているわけでもない。 彼女に当てた言葉だ。 「夜一?」 彼の手を握ると、さっきよりも冷たくなっているように感じた。 「……なぎ…さ」 彼が目を閉じると、彼の目尻から涙が伝った。 そして彼は届かない言葉で、『ありがとう』と唇を動かした。 「…よいち……」 彼の口は弧を描いていた。 彼の手はさっきよりも更に、冷たくなっているような気がした。