「お前は夜一には勝てな、いッ」
ヤツはどこからか砂を取り出し、あたしの目の前で撒いた。
「いつの話だッ!!?」
それをあたしは手で振り払う。
振り払えなかった少しの砂が口に入る。
あたしはそれをペッと吐き出した。
「!」
背中に感じる殺気。
あたしは振り返った。
-----キインッッ
刃と刃とがぶつかって火花が散る。
だけど、それはあたしのナイフの刃ではなく、夜一の刃だった。
「俺も援護してやる」
夜一が頬に汗を伝わせて言った。
「死にぞこないが」
あたしは咄嗟にこの至近距離でヤツにナイフを投げる。
そして、まるでそれが合図だったかのようにリュウ兄の銃弾の雨がヤツに降り注ぐ。
あたしと夜一は距離をとってその様子を見る。
これでヤツが死んでいるとは思えない。
「アイッッ!」
不意に手をひかれた。


