「…くぅ……」
そして耳元で聞こえる、荒い息遣い。
体の重いものをどかすと、それは隼人だった。
「…へぃ……き?」
彼は苦しそうに口角を上げた。
彼の脇腹から生温かい、あたしが今まで浴びてきた赤い液体が彼の服を汚していく。
「なん、で…」
あたしはハッと気づいて、ピエロを呼ぶ。
「あのね……アイ、」
「しゃべんな、バカ」
あたしが彼の傷口を押さえても、血は留まることをしない。
ピエロが来て、応急処置をする。
「…俺……さ、」
隼人の顔から血の気がどんどんなくなっていく。
さっき見た、土色のように。
唇が真っ青だ。
彼は何か唇を動かしたが、声にならず聞き取れなかった。
そして隼人は目を閉じた。


