あたしが見た世界Ⅲ【完】





「与式達も殺るっていうのは聞いてねぇ」




怒りを含めた声音だった。




「だって言ってないもん」




ヤツはシレッとした表情のまま、左手にある短剣で夜一の攻撃を受け止めていた。




そして右手にある銃であたしに狙いつける。




「おまえッッ!!!」




夜一の焦った声が聞こえた。




パァァンッッと鳴る銃声。




「ごッ」




ビチャリ、という音が耳を劈く。




視界が真っ暗で、体が重たい。