「与式達も殺るっていうのは聞いてねぇ」 怒りを含めた声音だった。 「だって言ってないもん」 ヤツはシレッとした表情のまま、左手にある短剣で夜一の攻撃を受け止めていた。 そして右手にある銃であたしに狙いつける。 「おまえッッ!!!」 夜一の焦った声が聞こえた。 パァァンッッと鳴る銃声。 「ごッ」 ビチャリ、という音が耳を劈く。 視界が真っ暗で、体が重たい。