あたしが見た世界Ⅲ【完】





「…これは……」




あたしの後ろで、夜一が愕然とした声音を漏らした。




彼の言動からすると、何故かは分からないが今、倉庫から出てきたのだろう。




「…よ…しき……と、なぎ…さ?」




不思議なことに彼もあたしと同じような顔をしていた。




「貴方がやったんですか、シンさん」




夜一が静かにヤツに言った。




「人間はどうせ死ぬんだ。早かろうが遅かろうがどっちでもいいだろ?」




-----ヒュッ




言い終わるか、否か。




そんな一瞬のことだった。




夜一はヤツにナイフを投げ、父さんが手にしていた日本刀を掴み取り、ヤツに切り込む。




「!!?」




あたしは自らの目を疑った。




――何故、夜一が自分の主人であるヤツに…