「…これは……」
あたしの後ろで、夜一が愕然とした声音を漏らした。
彼の言動からすると、何故かは分からないが今、倉庫から出てきたのだろう。
「…よ…しき……と、なぎ…さ?」
不思議なことに彼もあたしと同じような顔をしていた。
「貴方がやったんですか、シンさん」
夜一が静かにヤツに言った。
「人間はどうせ死ぬんだ。早かろうが遅かろうがどっちでもいいだろ?」
-----ヒュッ
言い終わるか、否か。
そんな一瞬のことだった。
夜一はヤツにナイフを投げ、父さんが手にしていた日本刀を掴み取り、ヤツに切り込む。
「!!?」
あたしは自らの目を疑った。
――何故、夜一が自分の主人であるヤツに…


