――嘘だ あたしの足は勝手に二人のもとへと行っていて。 グッタリしていて、血の気がない二人の顔を触る。 けど土のように冷たくて。 「……そん…な…」 あたしはガクンと項垂れる。 『昔のままね、変わってないわ』 頭の中で声がする。 そして、ニコリと微笑む女の人。 『俺からすると、龍輝もアイも双子なのに全然似てねぇように見えるんだよな~』 そう言って、リュウ兄に攻撃を仕掛ける男。 そんな映像が脳裏に浮かんだ。 古ぼけた寺にいた時の出来事だ。 つい最近のことなのに、随分と昔のことのようだ。