「やれやれ、やっぱ人多いね…」 夜一が咳き込んだ後に、あたしと距離を詰めて言った。 言われて辺りを見渡す。 リュウ兄の麻酔銃によって眠らされた人がたくさんいた。 ――邪魔だ。 あたしはそう思って外に出る。 「な……」 目の前に広がる光景に驚愕した。 「やぁ、アイ」 ヤツが笑っていた。 ヤツの傍には血を流している男と女が倒れていた。 「……と…父さん……母さん…」