あたしが見た世界Ⅲ【完】





「やれやれ、やっぱ人多いね…」




夜一が咳き込んだ後に、あたしと距離を詰めて言った。




言われて辺りを見渡す。




リュウ兄の麻酔銃によって眠らされた人がたくさんいた。




――邪魔だ。




あたしはそう思って外に出る。




「な……」




目の前に広がる光景に驚愕した。




「やぁ、アイ」




ヤツが笑っていた。




ヤツの傍には血を流している男と女が倒れていた。




「……と…父さん……母さん…」