銀蝉が既に潰されている。




――早すぎる




あたしは倉庫に入った。




「お、本人登場やぁ」




慧のおどけた声が聞こえた。




「うわすっげー!!!後ろから陽光が当たってるから仏様みたいだー」




梨斗と朱雀がなむなむと合掌して拝む。




あたしの足は自然と隼人のもとに向かっている。




「お帰り、アイ」




そしてあたしは、目を細めている彼の胸に飛び込んだ。




「ただいま、隼人」