普通はそんなことしない。
しないというより、してはいけないのだ。
「なに考えてんのかは今んとこ全然分かってないけど、相当デカいことやろうとしてると思う」
ピエロが席を立った。
「で、取り入れた族を使って新たなターゲットを狙ってるらしい」
ピエロがパソコンを開いてあたしに見せる。
画面には族らしき名前が九つ。
「今がこんな感じ」
千種がエンターキーを押す。
九つのうち、五つの名前の上に×印がつく。
「幸いにも青龍はまだ無事だ」
千種が画面に書いてある『青龍』の文字を指す。
「けど、この順番でいくと潰されるのは『銀蝉』の次」
ピエロが「青龍は全国で三番目に強いとこだから」と付け足す。


