あたしが見た世界Ⅲ【完】







「荷物を置いて、」




あたしは部屋の一隅に置いてある自分の荷物を指した。




「「置いて、」」




………オウム返しだ。




「パン屋さんに行ってパンを買ってきた」




あたしはテープルの上にある、山のように積まれたパンを指した。




「……あんなに買ったの…?」




ピエロの顔が引き攣る。




「一人で食うのか?」




千種が袋の中をガサガサと漁ってバターロールを取り出した。




「これ、ちょーだい」