「帰るで」 慧が俺の袖を引っ張った。 教室を出て、玄関に行く。 その足がいつもより速い。 ――何かあったに違いない アイのことだろうか。 それとも、他の奴らが俺らを取り込もうとしている、という情報を掴んだのだろうか。 「遅ぇよ」 玄関の柱に腕を組んでいる梨斗が言った。 ケータイで呼び出したのだろう。