あたしが見た世界Ⅲ【完】






「帰るで」




慧が俺の袖を引っ張った。




教室を出て、玄関に行く。




その足がいつもより速い。




――何かあったに違いない




アイのことだろうか。




それとも、他の奴らが俺らを取り込もうとしている、という情報を掴んだのだろうか。




「遅ぇよ」




玄関の柱に腕を組んでいる梨斗が言った。




ケータイで呼び出したのだろう。