「――…じゃなくて、間違えた!」
リュウ兄は、慌てて取り繕う。
「えぇ…っとォー……」
チラチラとリュウ兄があたしを見る。
……リュウ兄、あたしにも分かる…。
あんな破廉恥っぽいことを言う父さんなんて、信じたくない。
さっきのはきっと言葉のアヤだ。
あたしはリュウ兄を見て、コクリと頷く。
「ド、どウいう任務だった?」
何故か声が裏返ってしまい、父さんが少し首を傾げる。
「………あ、確か、どっかの会社の部長さんか課長さんか……」
父さんは「どっちか忘れたけど」と付け足す。
「その人が、なんかイケナイことしてるらしいから、その会社の社長から『消してくれ』っていう任務を受けた」
「え……?…てことは、親父達もCHAINってことか…?」
リョウ兄は、まだ少し混乱していた。


