今日で2月が終わるというのに、アイはまだここの場所に姿を見せない。 僕は本を閉じて、隼人を見る。 彼は俯せていた。 「…であるからここのbを代入して、」 数学の教員が気怠そうに説明する。 ノートを取っているのは数えるくらいの人数。 あとの7割の生徒は睡眠学習だ。 不思議と喋っている生徒はいない。