あたしが見た世界Ⅲ【完】






目当てのクリーニング屋が見えた時、ちょうどそこから宙が出てきていた。




「お、宙!」




しぃちゃんは元気よく宙の名前を呼んだ。




それに気づいた宙が此方を向く。




「奇遇ですね、こんなところで。隼人達もクリーニングですか?」




「ンなわけねぇだろー」




俺は冷静に言った。




「そうそう、んなわけないじゃん。近所のオバサンみたいなこと言うの止めてよ」




隼人が手を縦に振る。




宙の発言のどこが近所のオバサンなんだろう。




俺は少し気になった。




それよりも。




「いや、しぃちゃんもオバサンみたいになってるから」




「アラ」




「あ、漫才ですか?」




「台本にのってないよ、これ」