目当てのクリーニング屋が見えた時、ちょうどそこから宙が出てきていた。
「お、宙!」
しぃちゃんは元気よく宙の名前を呼んだ。
それに気づいた宙が此方を向く。
「奇遇ですね、こんなところで。隼人達もクリーニングですか?」
「ンなわけねぇだろー」
俺は冷静に言った。
「そうそう、んなわけないじゃん。近所のオバサンみたいなこと言うの止めてよ」
隼人が手を縦に振る。
宙の発言のどこが近所のオバサンなんだろう。
俺は少し気になった。
それよりも。
「いや、しぃちゃんもオバサンみたいになってるから」
「アラ」
「あ、漫才ですか?」
「台本にのってないよ、これ」


