「.....ふーん。」

尚も不思議そうな顔をしていたが、気にしないことにしたらしく、また前を向いて歩きだした。


その後に続いて僕も歩き出す。

絶対変な奴だって思われたな....


なんて考えていたら、さっきの光景がいきなり脳裏に浮かぶ。

思い出すだけでも冷や汗が額から溢れ出る。


いつのまにか早足になっていたらしく、先頭を歩いている大地の隣まで進んでいた。


それに気が付いた大地はこちらを見て、二カッと笑いかけてくれる。

それに応えるために笑ってみせるが、上手くいかずに口が引きつる。



「おい、泉....なんか、顔色悪いぞ？」

大地の笑顔が消えて、心配そうにこちらを覗き込んで声を掛けてくれる。

心なしか足並みも僕に合わせてくれている気がする。


「そうか？きっと暗いからそう見えるだけだよ。」


「....まぁ、気分悪くなったら言えよ。」

まだ少し心配した顔をしているが、しばらくすると顔を前に向き直した。


その様子を見て改めて思う、大地って凄いなぁ....

僕のちょっとした顔色の変化にまで気付くなんて。


まぁ、だから人気者なんだろうけど....