幽霊が見えるようになりました。

五月蝿かったけれど、止めることもせず、ただジッとユキコが落ち着くのを待った。


『ていうか、どうして遅れたの?』

仰向けに地面に寝転がったユキコは少し涙目だ。

そこまで体育館とは違った景色が見たいか...


「クラスメイトに呼び止められたんだよ。」


女子にとはあえて言わない。

なんだか、根掘り葉掘り聞かれそうな気がするから。


『へー.....なんで?』

興味津々といった目をして、こちらを見つめている。


「.....うん。まぁ、色々とあるんだよ。」

いちいち説明するのが面倒なので、適当なことを言う。


こんな話、ユキコに話したところでどうにもならないし...


『え、何なに?気になる!』

予想外に食い付いてくるユキコに思わず後退りしてしまう。


起き上がって、足取り軽く近づいてくる。

俺の言葉を待つように前に立ってこちらを見つめる。


「何て言うかまぁ、質問...された。」