俯いているユキコを安心させようと肩を叩こうとするけれど、ユキコの肌に触れる直前に手を止める。

触れないんだった。


手をギュッと握りしめて、額に当てる。

浅いため息をついて、気持ちを切り替える。

「絶対来るから。」

何も上手く言葉に表すことが出来なくて、言えた言葉がたったこれだけ。


『うん。』


その言葉を聞いた後、何も掛ける言葉も無く、体育館を去った。