『ま、いっか。次は好きな動物。』

パッと表情を切り替えて質問に戻る。


動物?

これも特に何もないなぁ....


動物自体、あんまり好きな方ではないし....


立っているのが疲れてきたので、体育館の壁に凭れる。

そのまま壁に背中を擦り合せるようにして、床へと座り込む。

背中側の体操服がクシャクシャになって捲れ上がる。


「しいて言うなら、鳥?...セキセイインコとかそういった小鳥。」

服を直しながら、思い出す。


そういえば、昔....祖母の家で鳥を飼ってたんだっけ?

もう、飼っていたことぐらいしか覚えていないほど昔に...

あ....それで、一回鳥籠から逃がして、大泣きしたんだっけ?


それで......それで..........それ....で?

何か、何かあったような気がもするけれど...

無かった気も...する。


記憶があやふやでその断片チラチラと見えるだけで...