幽霊が見えるようになりました。

だから、考えないようにする。

そんなの当たり前だって、自分に言い聞かせる。


するといつのまにか、俺も周りと同じように当たり前に感じるようになった。

同化されていく....

これで良かったんだ。


これで周りと同じ感覚が味わえる。

この頃までそんな風に思えることができたのに...


ユキコの言葉で...また疑問が頭の中に広がる。


いや、ユキコの所為ではない。

元々、こんな考えを持ってしまった俺が悪いのだ。


『ねえ....さっきから何考えてるの?』

不思議そうにこちらを見つめるユキコは、どこか拗ねたようにも見える。


拙い、機嫌を損ねたか?


『私に質問ばっかり、つまんない!』

そう言って、頬を膨らませて腕を組む。


如何にもって感じの怒り方だな....


『次は、私から泉に質問するから!』

口を尖らせて言いきっているが、そんなに意気込まないでも勝手にすれば良かったのに。