幽霊が見えるようになりました。

ここで答えたら声が漏れて、見つかってしまう確率が高くなる。


『どうして黙ってるの?』

ユキコは俺の目を覗きこんで首を傾げている。


覗き込んでいる瞳から目を逸らして、人差指を唇に当てる。

「シーッ....」

その仕草をした後、ユキコは何も話しかけてこなくなった。


暫くするとドアが開いた音がして、足音も体育館から消えていった。

人の気配が消えたことを確認し終わると、勢いよくカーテンを開いて外に出た。


正直言って、息をするたびに埃を吸って噎せそうになった。


『かくれんぼでもしてるの?』

「ひッッ....」

胸を撫で下ろして安心しきっていたところに突然声を掛けてくるものだから、驚いて変な声が出てしまった。


「い...いや、違う。」

苦笑いをして、すぐに否定をした。