幽霊が見えるようになりました。

『知ってるよ!付いてきて。』

そう言って、舞台の方にスキップをしながら向かっていく。


楽しそうだな....

こげ茶色の髪が左右に揺れて、揺れるたび良い匂いがする気がする。

幽霊なんだから、匂いなんてするはずないのだけれど....


ユキコに案内された場所は舞台そでのカーテンの裏だった。

少し埃っぽく、カーテン自体色褪せて継ぎ足したような縫い目も目立つ。


校舎はあんなに新しく建てているにだから、カーテンくらい新しい物を買えばいいではないか....

それに、第二体育館は新しく建てられた方なのだから、全部新しくしてしまえば良かったのにな。


埃っぽいカーテンを捲り、裏に入る。

意外に広いスペースがあり、二人ほどは余裕で入れる。


暫くして、体育館の扉が開く音と共に足音が響いて聞こえてきた。


『なんで隠れるの?』

このタイミングで質問をしてくるとは、なかなかにこいつ空気が読めていない。