幽霊が見えるようになりました。

今まで、自分という存在に疑問が生まれなかったのか?

それとも、自分に関してあまり興味が無いのか?


けれど、自分の好きな物を思い出せてあんなに嬉しそうにしてたし....


そんな事を考えていると、体育館の外から何人かの足音が聞こえてきた。

「中野ー...いるか?」

クラスの友達の俺を呼ぶ声が疎らに聞こえてくる。


そうか、今、俺は授業をサボっているのか。

今更、自分の置かれている状況を理解した。


取りあえず、今戻ったところで先生に長々と説教をされるのは目に見えている。


「ユキコ、お前...この体育館に詳しいよな?」

この授業ぐらいはもうサボったっていいよな....


『うん、少なくとも泉よりはね。』

威張るように腰に手を当てて、鼻で笑う。


少し腹は立ったが、今はそれどころではない。


「どこか隠れる場所、知らないか?」

抜け道でも何でもよかった。

先生と友達に見つからなければなんでも.....