体も少しばかり動くようになっている。

頭だけを動かして大地たちの方を見る。


そこには不自然に階段の前に複数置かれている掃除用具入れを動かす大地たちの姿が目に入る。


あからさまに、そこから入るなと言っているような気がするのは僕だけなんだろうか?


竦む足を動かして止めに入る。

「そこまでして先に進むことないだろ....」

「何言ってんだ、ここからが面白くなってきそうじゃん。」

大地は掃除用具入れを押しながら、キラキラと目を輝かせて意志を曲げようとしない。


「で...でもさっき...」

「そんなことより手伝えよ!」

期待と好奇心が滲み出たような笑顔と声で大地は僕を促す。


それに逆らえる意志の強さを残念ながら僕は持ち合わせていない。


口をモゴモゴとしながら頷く。