俺の自問自答を遮り、質問に答える大地。

驚くほどタイミング良く、俺が一人で悩む前に話し掛けてくる。


「けど、泉の後ろ姿が見えた時、ちょっと安心した。」


大地が俺の存在で安心してくれるとは...

少し嬉しい。


けど、知り合いに誰も会わなかったってどれだけ周りを見ていないんだ。


「にしても、この学校、敷地広いからここまで来るだけで疲れた。」

大きくため息をついて、校庭を見渡す大地。


当たり前だろう、ここら一帯はニ、三年前から都市開発が進んで人の数が増えてきているのだから。

だから、小学校のときには無かった高いビルやショッピングモールなどが次々とできて、昔は多かった自然の植物が、この頃、あまり見かけなくなった。


この学校も最近、新しく校舎を作ったりして敷地が広がったらしい。

特にスポーツに力を入れているらしく、運動場、体育館、プールは二つもあるそうだ。

その他にもテニスコートや剣道場などもあるとかなんとか....


まぁ、俺は部活なんて入らないから、そんなたくさん設備があってもあんまり関係ないけどね....