人がせっかく走って戻ってきたというのに、良い夢を見ているなんて、なんだか焦っていた僕が馬鹿みたいじゃないか。


魘されでもしていれば良かったのに....

つい、人の不幸を願ってしまう。


そんな考えを必死に振り払って、友達を起こしにかかる。

けれど、揺すっても耳元で大きな声を出しても全く反応が無い。


なんでこんな状況で熟睡できるんだ。

どんな図太い神経をしてるんだこいつは!


困ったな...起きてくれなかったら、僕が背負って大地達の所に行かなければならないということになる。

絶対それは避けたい。

第一、どんな言い訳をすればいいのだ。


『帰るの?』

「うん。けど、こいつ起きないんだよ。」


取りあえず、ここにいたって埒が明かない。

上手い言い訳は帰る途中に考えよう。


後で、こいつは上手いこと言い包めて口裏合わせをしよう。