...行くしかないなのかもな。

何かを背負うなんて僕には出来はしない。

僕はそんなに大きくて強い器の持ち主ではないことぐらい自分でも分かっているつもりだ。


誰かを道連れ....いや、誘った方が良いだろうか?

けれど、前を歩いている奴はさっき話しかけて、全然役に立たなかった奴だし...


もしもの時に足枷になったら嫌だなぁ.....

なんて自分ことは棚に上げた考え方である。


ちょっと様子を見に行く、くらいだ。

サッと見に行って帰ってこればいい話なんだ。

みんなを巻き込んでまで大きな話にしない方が良いに決まっている。

そう自分に言い聞かせて、勇気を奮い立たせる努力をした。


深呼吸をして、前にいる友達の肩を叩いて呼びとめる。

「僕、上の階にハンカチ落としたみたいなんだ。だから、ちょっと探してくる。」


「え?あぁ...気をつけろよ。」

そう引き攣った口元を震えながら動かしている。