ラッキーというか、肝心なところで鈍いというか....

何とも言えぬ心情にみまわれながらも、他の友達に声を掛けていく。


全員に声を掛けたところで、大地を先頭に順々に出口に向かう。


おもしろ半分でこういう所に来てはいけないと、心から思うような体験だったなぁ....

と、最後尾という不本意な位置で思いに更ける。


来た道を戻るだけだというのに、周りの様子が気になって仕方がない。

怖いからこそ周りを頻りに見てしまう。


そこには入ったときと変わらず、殺風景な景色が広がっている。

当たり前のことだけれども、教室一つ一つに何も無いと分かると心の中で安堵の息を漏らす。



そうして教室の確認に気をとられていると、前を歩いていた奴に打つかってしまう。

ドンッ

「うわっ!え...あ...ぁ、ごめん。」

あまりにも突然のことで上手く謝れない。


「いやいや、俺こそ突然ごめんな。」

笑顔で謝り返してくれる友達を見て安心する。