ずっと先の未来かすぐそこの未来か、はっきりしていなくても、彼が見つめるその未来は、きっといつも眩しいのだろう。

たまに見せる悪戯っ子な姿をすっかり忘れさせる、真剣でみずみずしく輝く瞳。



何の気なしに私のほうを向く彼。



トクン、と鼓動がすると、澄み渡る水面に小さな波紋が広がる。




私はつい、ぱっと目を逸らしていた。



「梯子、楽しみにしてるから。頑張ってよ!」


「おう。オーダー承りました」




こんなにも近くにいるのに、やっと冗談も言い合えるようになったのに、未来を見つめる、作家の顔の彼には、どうしても距離を感じてしまう。


引けをとりたくない。


私にだってできることが、“私なり”の何かがあるはずだともがく感情。