「俺…ほんとのこと言うと、小学生の時からお前が好きだった」
「へっ…?」
マヌケな声が出てしまう。
「転校するって決まった時、柄じゃないけど泣きそうになったんだ」
「……うん」
「ガキだった俺には何も出来なくて、悲しかった記憶がある」
「そ、そっか…」
あたしはただ相槌を打ち、ひたすら話しを聞いた。
「確かに転校してから恋愛はたくさんした。でも、全部桃乃に重ねて本気で恋愛出来なかった」
そんなにあたしのことを思ってくれてたんだ…。
「高校入ったら、また転校ってなって…うんざりしてたけどお前がいてびっくりした」
あたしもびっくりしたけどね。

