あたしは笑って蒼を見上げる。

別に、と少し頬が赤くなったように見えたけど気のせい?


「それにしても、背伸びたね…」

「うるさい、チビ」

「何よそれ」

「じゃあ、逆に髪伸びたね」

「えっ、まぁね…」


些細なことに気づくのが、やっぱり幼なじみだと思う。

仲が良い友達さえ、気づかないことがお互い分かってしまうんだから。


ぼーっと窓の外を眺める。

するとペチッとおでこにでこぴんされた。

「痛…」

「眠いんでしょ。反応鈍いもんな」

蒼はクスクスと笑う。