でも負けじと蒼はあたしに言う。 「いいじゃん。ブレスレットのお礼とかで」 「見返りを求めるな!」 「唇はダメなんだろ?」 「全部ダメ!」 ケチ…と蒼は言いながらもう一度あたしの顎を持ち上げ、 チュッ… 頬っぺたにキスされた。 「ごちそーさま。次は唇な」 「なっ、な、なに言ってるのよ…バカ!」 「俺がするまで誰にも唇渡すなよ?」 「わかった…」 っていうか、あたしも「わかった」って承諾しちゃうんだね。 不意打ちすぎて心臓のドキドキは止まらないし、顔はカアーッと熱くなる。