バスが来て、あたし達は乗った。

1番後ろの席に二人隣同士で。

人は全然いなくて貸し切り状態。


「俺、桃から重要なこと言われてない」

「…おめでとう」

「正解」


しばらくバスに揺られると蒼が欠伸をしながら言った。


「あー…眠い…疲れた…」

「起こしてあげるから寝たら…?」

「んじゃあ…肩かして?」

「今日だけだよ」

「あぁ…」


コテンとあたしの肩に頭を乗っける。

どっからどう見ても、カップルにしか見えてないと思う…。



理想とは遠いけど、現実のこんな幼なじみでも良いかもしれない。

今日はかっこよかった。


そう思った日だった。