二人の距離が近くなる。 息がかかるたびに心臓が音をたてる。 蒼に聞こえちゃいそうだね。 「髪…戻したんだね…」 「あぁ」 蒼の髪をふわりと触る。 前みたいに自然な地毛の茶色じゃないけど、戻ってる。 痛んじゃってるじゃん。 「そうだ!」 あたし重要なこと忘れてた! これがメインで来たんだから。 制服のポケットからキラキラ輝くブレスレットを出す。 「ブレスレット!取り返してやった!」 「マジでか!桃すごいなっ」 「ちゃんと話して返してもらったんだよ」 ふーん、と蒼は相槌を打つ。