ガチャッ――………
屋上の重たい扉を開けると、まず快晴の空が目に入る。
ちょっと寒くも感じるけど、
いっか。
「うわ〜…眩しいね」
日菜が欠伸をしながら目を細める。
あたしも目を細めて空を見上げる。
「で……桃乃の悩み事は?」
「悩み事?」
「分かるわよ、見てれば。ブレスレットのことでしょ?」
日菜はすごいね。
やっぱり日菜にはバレバレだったんだ…。
「まぁね…。ブレスレットどうやって取り返そうかなぁーって」
あたしは屋上にある錆びかけのベンチに腰を下ろす。
「そうだねぇ〜……」
そう呟きながら日菜も隣に座った。