「で…どうしたの?」


日菜が柔らかく笑ってあたしに問う。


「んと…まず……蒼に謝らなきゃ…」

「え、俺?」

「うん…」


蒼は一瞬びっくりした表情を浮かべて、あたしに聞く。


「何で謝んの?」


蒼は優しく聞いてくれてるけど非常に言いにくい。

蒼は優しいから尚更、

言いにくい……。



「あのねっ!……その…ブレスレット…没収されたの…。ごめんなさい…」


場の雰囲気がポカーンと穴の開いたようになった。


「それって…桃が謝ることじゃなくね?」


蒼はあたしの頭をポンポンと優しく撫でる。