あたしはおずおずと左手を先生の前に出した。


「ちょっと…良いかしら?」


先生はあたしの有無を聞かずに、ガッと制服の袖を捲りあげる。


ヤバい、ヤバいよ…。


「校則は分かってるわよね?」

「はい……」

「じゃあ…仕方がないわね」

「ちょっ、ちょっと…!」


先生はあたしの左手首のブレスレットを丁寧に外した。

逆に嫌味くさいっつーの!!


「悪いけど没収します」

「あ、あたしのブレスレット…」


あたしの話しは一切耳にいれずに、スタスタと職員室に入って行ってしまった。