一人席を外して教室を出て右側の廊下を進む。

トイレの近くには職員室がある。


はぁ〜と一つため息を浮かべてトイレに入ろうとした時だった。



「伊賀桃乃さん?」

「ひっ、は、はい!?」


誰かにいきなり呼び止められた。

びっくりしすぎて噛んじゃったじゃない……。


後ろを振り返ると、


あの女教師が立っていた。


「あ……新藤…先生」

「ちょっと…左手首、見せてくれないかしら?」

「て、手首ですか…?」


まずい………


これはまずいぞ……。


あたしの左手首には、蒼からもらったブレスレットが付いてる。