朝のホームルームが終わると、蒼と鈴原は席を立った。
「桃、さっきはありがとな」
「ううん。結局何もしてあげられなかった…」
「大丈夫だから。気にすんな」
それだけ言って行ってしまった。
1限目の授業にも来なかった。
1限目の授業が終わるとすぐに日菜が後ろを向いてくる。
「夏月達…大丈夫だよね?」
日菜が珍しく心配そうな顔をしてる。
「大丈夫!だって鈴原と蒼だよ?上手く言って戻って来るって」
「そうかな……女のカンって言うの?」
「えっ?」
少し間を置いて不安な面持ちのまま日菜は言う。
「何か一波乱起きそうな気がする…」
「…変なこと言わないの!」
「だよねっ!」

