バスの中はほどよく暖かい。
外が少し寒かったから調度いい。
バスは貸し切り状態だった。
ここを通るバスは高校前で止まるから、同じ学校の人しか基本的には乗らないせいもあるのかな?
「どこ座ろうかなぁ〜」
あたしはふらふらと1番後ろの席へ向かった。
広いしね。
「待って桃」
「ん?」
「俺、こっちが良い」
蒼が選んだのは普通の二人席。
「せっかく人いなくて広々してるのに何でわざわざ?」
「いいから!窓側座りな!早く」
「えっ、う、うん…」
急かされながらあたしはおもむろに座る。
蒼が隣に座ると案の定狭い。

