「じゃっ、俺らも帰るか」
「うん!」
校門を出ると少し肌に刺す冷たい風があたしを包む。
「最近寒くなってきたねー」
「だな…。手、繋ぐ?」
「…うん!」
あたしの手を優しく握り、蒼は自分のブレザーのポケットに握った手を入れた。
あったかい。
嬉しいけど…
何か照れる。
「蒼の手大きいね」
「桃の手が小さすぎなんだっつーの」
手を繋ぎながらバス停に行く。
運が良いことに誰もいないみたい。
「何かバス貸し切りになりそう」
「良いじゃん。桃とイチャイチャできる」
「ダメですー!」
あたし達が待ってるとすぐにバスは来た。

