「はい、あげる」
「えっ?あたしに?」
美桜先輩にあげた。
着替え終え、奥から出て来た美桜先輩はびっくりしている。
「ありがとう!…でもなんで?」
「手当てしてくれたお礼。あと、好きなんでしょ?それ」
「やっぱ優しいね。…蒼くんの彼女は幸せだろうねっ!」
「かっ、彼女!?」
彼女の話は…
ちょっと今はダメな話だな。
「あれ?彼女とかいないの!?」
「いっ、い、いるっちゃいるけど…いないっちゃいない…みたいな」
「ったくハッキリしなさいよ…」
ハッキリしたいのは山々。
ちゃんとけじめつけない俺も悪いけどさ…。

